個性をカタチ

ひとりひとりのワーク

それぞれの役割

2019年 12月 18日

感想

 11月中旬に、2階で作業している利用者のリーダー的存在だった年配のAさんがサンアップに通えなくなり、それまで彼が担ってきた仕事を職員や他の利用者で分担することになりました。いなくなって初めて、あの明るく大きな声が2階の雰囲気を軽やかに楽しくしていたこと、存在の大きさを思い知りました。

 その関係もあって 配置転換を行うことになり、 9月に入所したBさんが新たに洗い場を担当することになりました。 始めはたたみ作業をしていたのですが、 Bさんにとってたたむだけの作業では物足らない様子が見受けられました。彼のよさを活かせる作業がもっとあるのではと考えていたところでした。

 Bさんは 以前、別のB型事業所 で働いていたとき「金属パーツの一部を組み立てていたけれど、自分のやっている作業が実際、何に使われているのかはわからなかった」そうです。 サンアップでは、回収してきた物を洗って、乾燥させ、たたんで納品するというクリーニング一連の仕事が具体的でわかりやすく、「自分たちが行った作業がホテルに泊まる人たちに役立っている」という実感が持てるといいます。

 作業の覚えも早く、 力もあるので、早速、洗い場で力を発揮してくれています。穏やかで安定感のある存在に、周りの利用者も安心して、作業に取り組んでいます。今後は、洗濯機や乾燥機の時間を見て洗い場全体を把握しながら、いま何の作業が必要かBさん自身で判断できるように支援していけたらと思います。

  ゆくゆくは 洗い場のリーダー的存在に成長してくれるのではと期待しています。 物静かだけど、的確に状況を判断して周りに働きかけられるリーダー像というところでしょうか-。明るかったAさん、穏やかなBさん、今回の一件で作業以外にもその人の個性にも役割があるのだと気づきました。

  利用者が自分の役割を実感しながら、心地よく働き続けられるよう、一人ひとりにスポットを当てていく職員の役割も試されています。